元気な高齢者の姿が報じられる一方で、65歳以上の認知症患者数は100万人を超えている現実も明らかになった。脳の神経細胞の死滅は、中高年以降加速するため、年を取ってボケないためには45歳からの予防が有効だという。ボケないための会社生活の心得について、専門家に話を聞いた。
【脳の活性化を阻む】
出勤時から仕事のことを考え、デスクの前に座るなりパソコンを立ち上げ、1日のスケジュールをこなしていく。自分の思い描く通りに事が運べばよいのだが、客先や上司、部下などの人間関係も絡まって、スムーズに行かないことはあるだろう。気がつけば夜の9時、10時の残業タイム。 −−そんな生活は、脳の活性化を阻むという。
「いつまでも『明晰な脳』を保つ習慣術」(日本実業出版社)の著書がある駿河台日本大学病院精神神経科の渡辺登教授は次のように説明する。
「老化の速度は、遺伝子、生活習慣、ストレスなどの環境要因によって決まります。職場での過重なストレスは、当然のことながら脳にも悪影響を及ぼします。上司がお手本となって、9時間以上働かないように、仕事の効率化を図っていただきたいと思います」
仕事好きで残業し放題の上司は、部下の脳の老化を加速させることになるそうだ。
【手足を動かす】
不況のご時世ではサービス残業よりも、仕事の効率化に関心が寄せられている。上司も部下も、仕事をサッと済ませ、アフター5は、自分の好きなことに没頭する。これは、脳にとって良いことだという。
「楽しいと思えることは、脳を活性化させます。ジョギングでも水泳でも、音楽や絵画でも、楽しく長続きできることを生活の中に取り入れてみてください。歩くだけでも、脳は刺激されます。また、楽器や料理など手先を使うことも脳の刺激に役立ちます。趣味がないという方は、手や足を動かすことから始めましょう」
こう話す渡辺教授は、自身も15年前からジムに通い、週に4〜5回、水泳やストレッチなどで身体を動かしているという。ジムに通うためには、仕事の効率化が不可欠だった。自然に仕事の過重なストレスは軽減され、心身ともに健康に結びついているという。
「ひとつの悪い習慣を見直すことで、全体の生活リズムが良い方へ回っていくと思います」(渡辺教授)
【繰り返しはダメ】
中には、急に新たな趣味や楽しみを見つけるのも難しいという人もいる。そこでアフター5には、赤ちょうちんののれんをくぐる、あるいは、自宅で一杯。ほろ酔い気分で気がつけば就寝時間。仕事と飲酒の繰り返し…。
「同じ行為を繰り返していると、脳は活性化しません。
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